merlot_milliat’s diary

競馬について書こうと思っているブログ。

2019-05-04 千直の王になれ 邁進特別

 2019年5月4日土曜日は、令和になって初めての中央競馬開催日だった。東京競馬場10レースはメトロポリタンステークス(芝2400m)だったが、本馬場入場の前から雹(ひょう)が降り出し、空は暗くなり雨を落とし雷が鳴り響く。競走馬と鞍上はもちろん、誘導馬さえ痛がって見えた。

一方、同日の新潟競馬場京都競馬場は晴天。メトロポリタンステークスの発走時刻が遅れ、土砂降りの様子が映されていた中継カメラが新潟に切り替わると、太陽の光がテレビの前だというのにまぶしく感じられた。

 

 新潟競馬場11レースは邁進特別(1000万円以下)。芝1000m直線コースで行われるハンデ戦中央競馬の短距離戦は1200~1600m以下が多いが、ダートの1000mや新潟競馬場の芝1000mという舞台もある。通常中継ではスタンドから撮影しているケースが多いが、芝1000m直線コースは、走る馬に途中まで車が並走して撮影する。スタート地点はスタンドから見て左側の奥の奥にあり、かげろうのようにゆらめいて映る。

私は昨秋と春の新潟開催で1000m直線のレース 飛翼特別・駿風ステークスを連勝したジョーカナチャンという4歳牝馬(当時)にほれ込み応援していたところだったのだが、彼女が骨折してしまい、夏のアイビスサマーダッシュ(GⅢ)には出られないと報じられた。彼女が得意とした新潟の1000m直線が舞台のレースが意外と面白いことに気づいたところだったので、少々いらいらしながら邁進特別を見ていた。

意外と面白いこととは、1000m直線コースに謎の適性をもつ馬がいることである。

実際、ジョーカナチャンは13番人気で飛翼特別を制している。そして同じ舞台で連勝した。そういう馬がときどきいる。

邁進特別がスタートする。このコースでは外ラチ沿いに駆けるのがセオリーで、だから外枠が有利らしいことは、ジョーカナチャンのレースを見て私も理解している。5番のライオンボスがするすると外ラチ沿いにつけて、先頭らしい。並走する車からの映像ではどの程度後続に差がついているのかわかりづらいので、ぼんやり見ていた。スタンドからの映像に切り替わる。ライオンボスがやたら逃げている。速いのか? そのままライオンボスを見ていたらゴール。完勝じゃないか。

軽ハンデとはいえ、超短距離のレースで5馬身差をつけ54秒1で駆け抜けた、15番人気のライオンボス。払戻金は単勝9,810円。3連単は728,660円もついた。

 

テレビ中継は、暗く冷たい雨の降る東京競馬場に切り替わった。15時45分、東京競馬場10レース以降の中止が発表された。

 2019年5月4日土曜日は、令和になって初めての中央競馬開催日だった。東京競馬場では雹が降って、10レース以降は中止になった。しかし私には、それとセットでライオンボスが記憶に残った。

4歳牡馬の彼は、この勝利で一気に競馬ファンに知られるところとなる。

 

次走も新潟の1000m直線、2019年5月19日の韋駄天ステークス(オープン)が選ばれた。中1週、ハンデは据え置き、オープン戦。

ライオンボスは53秒9で駆けた。着差こそ4分の3馬身だが、相手が強くなっているにも関わらず時計を縮めている。今回は1番人気、払戻金は単勝200円。前走を見ていたファンはみんな、彼の1000m直線での走りを信じていた。

2019年7月28日、第19回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)には、1000m直線を先頭で駆け抜けることを期待され、成し遂げた「千直の王」がいた。

 

※1年前の競馬を鮮明に覚えていられたのは、ライオンボスくんのおかげ。オジュウチョウサンと同じ和田正一郎厩舎、馬主が和田正一郎調教師のご実家というところも気に入っております。

※明日の天皇賞(春)は純粋にメロディーレーンとエタリオウ、ミライヘノツバサを応援します。馬券予想はできないうえ、ほぼテレビ観戦のみなので、ここは回顧記事を書くブログになるのかもしれない。